叔父の書斎にあったアンティークの本棚に憧れる
私の叔父は小説家でした。
たまに叔父の自宅に遊びに行くと、たくさんの本がそろっている書斎に入らせてもらい、子どもにも読みやすい、イラストがふんだんに使ってある本を見せてもらったりしました。
そんなさまざまな書籍は、アンティークの本棚にずらりと並んでおり、我が家の安っぽい組み立て家具とは大違いでした。
もし同じ本が、叔父のアンティークの本棚と我が家の家具に並べてあるとしたら、印象がまったく違って見えたことでしょう。
最近では、電子書籍などが流行っていますので、紙の書籍の出版がドンドンと減っているということを聞きます。
相次ぐ雑誌の休刊なども、その際たるものでしょうし、専門書などは、人知れず、絶版になっているようです。
そんな世間の風潮の中ですが、本当に本の好きな人は、やはり紙の本に印刷された活字を好んでいると思います。
本というのは、その中の文字だけではなく、本の装丁や質感など、すべてひっくりめて一冊の本になっていると思うのです。
叔父のアンティークの本棚から絵本を選んで読ませてくれた叔父は、今はもうこの世にはいません。
しかし、叔父が愛した書籍たちや、アンティークの本棚は、今も叔父の家の書斎で、ひっそりと訪れる人を待っています。
今でもたまに叔父の家に向かい、書斎の本を抜き出して紙面に目を落としてみて、叔父がいた頃のことを思い出したりします。
もしも、このアンティークの本棚が不要になったら、ぜひ譲ってほしいとおばにお願いしようかどうか、迷っています。